視覚障害者の情報バリアフリー
※この記事は月刊誌「福祉のひろば」(2007年3月号)に掲載されたものです。
視覚障害者は「情報障害者」とも言われます。マスメディアに関して言えば、視覚障害者はラジオやテレビの音声情報しか得ることができませんし、新聞や雑誌の点字版はほとんどありません。一般書籍についても点訳・音訳されているものは全体のごく一部に過ぎません。
しかし近年「情報障害」という視覚障害者のバリアはパソコンやインターネットの利用によって取り除かれつつあります。パソコンにスクリーンリーダーと呼ばれる画面の文字を音声化するソフトをインストールすれば、墨字(すみじ=普通文字)の読み書きができます。また音声ブラウザの利用によってウェブ上にある新聞や雑誌の記事を読むことができます。インターネットの点字図書館もあり、電子データ化された点字図書をダウンロードしてパソコンで読み上げさせることができます。電子メールは視覚障害者と晴眼者(せいがんしゃ=目が見える人)との間のバリアフリーなコミュニケーションツールとなっています。
このように便利なパソコンですが、視覚障害者にとってはその操作をマスターするのはとても困難なことです。視覚障害者はスクリーンリーダーの音声情報だけを頼りにマウスは使わずキーボードだけでパソコンを操作しなければならないからです。パソコンの電源を入れること、周辺機器の接続、ソフトのインストールなどもパソコン初心者の視覚障害者にとっては困難です。
また視覚障害者にパソコンを指導できる知識と技術をもったボランティアが少ないために、一般のパソコン教室に行っても対応してもらえないのが現状です。
私は岡山県で視覚障害者のパソコン利用を支援する「ゆうあいネットpcvol(ぷくぼる)」というボランティア団体を運営しています。訪問・電話・電子メールなどの手段によりサポートしたり、県内各地で視覚障害者対象のパソコン講習会を開催したりしています。またパソコンボランティアを養成する活動もしています。
私たちの活動により岡山県内での視覚障害者のパソコン利用者は徐々に増えています。全国各地においてもパソコンボランティアが増えて視覚障害者の情報バリアフリーが実現されていくことを願っています。
